烏賊の匂いの話

それまでの相手とは開戦前に風呂に入っていた。だから知らなかった。それは、羊にとって二人目の男との戦闘でのことだった。トランクスの中身とコンニチハ、なんか、生臭いんですけど…

『すいません、なんか生臭いんですけど』
『え?あー、それが俗に言うイカ臭いってやつだよ』
『すいません、風呂入りませんか』
『え?細かいことは気にしない、口に入れれば一緒だから』
『ていうか、なんで生臭いんですか』
『前の日にね、一人でね、ちょっとね』

後日、バイト先の居酒屋で冷凍イカをさばく手伝いをした。

『うわっ、イカ臭いんですけど!!男の匂いだ!!』