読み終えたよ。そして読書感想文だよ

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
ようやく読み終えました。
バタバタ人が死んでいく小説でした。初めて読んだのは高校3年生。で、ですね、この時は男子とそういう経験がなくて、主人公のワタナベ君がフィーリングでけっこういろんな女の子と寝ちゃうわけですが『みんなの性の価値観はこんな感じなのだろうか?フィーリングでしちゃうものなんだろうか?大学生になったら好きな人がいてもこんな風に誘われたりするのだろうか?』とか思っちゃった思い出があります。

2度目に読んだのは21歳の時で読後4日くらいは憂鬱でした。陰と陽で言うならば完璧に前者に当てはまる小説ですし、話はよく覚えてないけどとにかく暗くなる小説だなという印象でした。

で、『読むまい、読むまい』と思っていたんですがやはり衝動を抑えきれず読んでしまい、上巻で既に鬱蒼となってしまいでも読みたいという非常に相反する気持ちで一気に読んでしまいました。ワタナベ君の周りでは実にいろんな人が死んでいきます。自殺であったり、病気であったり。それでも虚無感と戦いながらも生きる道を選ぶワタナベ君は強いと思います。

直子が陰だとしたら緑は陽であり、緑は実にいろんな妄想をするのが好きなのです。
時にワタナベ君のマスターベーションに私を出演させてみてとお願いするのです。全体的にじっとりした日陰のようなストーリーの中で緑の出てくるシーンは日なたのような存在感があると思います。

直子は結局死を選んでしまうわけですが、『ワタナベ君とのことはちゃんとするから』と言っていたのはこういうことだったんだなと妙に納得してしまいます。
きっと直子はキズキ君(自殺してしまったボーイフレンド)の事が好きで、でもワタナベ君の好意を無碍にもできなくて、しかもワタナベ君の気持ちは最近他の女の子に向かっている。悲しいかなそうするしか道は無かったような気がするのです。いろんな捉え方があるだろうけど。

ところで村上春樹の小説の中ではかなりはっきりと性描写がある方だと思うのですが、よく他の小説でもある『僕はゆっくり時間をかけて射精した』とあるのはいったいどうやってやるのか、初心な女子である羊にはさっぱり解りません。
あまりにも性描写が淡々としてるのでそんなものなのかと思ってたのですが最近は実際に自分がそういう経験をした時に感動を覚えるのです。耳年増すぎかしら。