階段の怪談話

夏といえば怪談話。

小学校の頃、理科室前の階段が上りと下りで段数が違うという噂がまことしやかに流れた。実際に同級生たちと上ってみると確かに上りは13段、下りは12段だった。お、恐ろしいー。と思って他の同級生が階段を上る姿を見ていると、皆一様に上りの時は踊り場も1段と数えていた。下りはその踊り場から降りるから当然1段少なくなるというカラクリだったのだ。羊もその一人だった。

だがしかし、気が弱いためいじめられっこだ羊は恐ろしくてその事実を言い出せなかった。そっちのほうがよっぽど怪談だ。