国生さゆりの日
今行っている店はスーパーの一角で、昨日からバレンタイン売り場の設置を始めた。
仕事中の会話。
『羊さん、チョコ作るんでしょ?』
『いや、作らん。あげたことない』
『えー、そんな…でも、1回くらいはあるんじゃない?』
『んー…あっ、そういえば!コンビニの板チョコあげた事あるなぁ。』
『ダンナさんに?』
『…いや、昔つきあってた彼氏に…』
…。
そういえば、高校時代に犬猿の仲だった女子の先輩が『あんた達の為にチョコ作ってやったから食べな』と妙につっけんどんに言ってチョコをくれた。なんでまた私の事嫌いなのにわざわざ…と思っていると、ある子が小声で『これ、作って男子にあげたけど受け取ってくれんかったチョコだって』と囁いた。まずかったけど、とりあえずものすごくニコニコして『先輩、おいしかったです』と言っておいたけど本心は『先輩、ザマーミロですね』だった。バレンタインの思い出といえばこれくらいしかない。
こないだ仕事中におばあちゃんに『生チョコはないんかねぇ?取り寄せできる?』とやって来た。
家に帰ってその話をすると、配偶者は『あ、あのレンガみたいな柔らかいチョコか!』と言った。レンガは柔らかくないな、と、思った。